治療戦略


現実は理想よりもはるかに大きい

前回の日記で、「現実は理想よりもはるかに大きい」と書いたが、少し補足しておこう


頼藤和寛先生の人生相談

今日来られた患者さんと、中島らもの話をした。私は彼が雑誌に「かまぼこ新聞」を連載していた頃から知っていて、エッセイを何冊か読んでとても引き込まれた。

彼が朝日新聞に連載していた『明るい悩み相談室』は、新聞の人生相談としては画期的だった。下手な精神科医やカウンセラーよりはとても治療的な珍回答があって、医療関係の仕事をするようになってからずいぶん参考になった。


治療の有効性と有用性 (2)

治療の有効性と有用性の違いが分かっていないと、何が悪いのか?

一番重要なのは、患者さんにとってよりコストパフォーマンスの高い治療法を提示できないことだろう。

その次は、治療家が行っている治療方法が、他と比べてどうかという反省が生じにくいことかな。これは自分がやっている治療方法が有効なので、一番有用なのだという大きなカン違いが生じやすいということだ(このようなことを科学の世界では、観察の理論負荷性とよぶ)。


治療の有効性と有用性(1)

先日、現状のガン治療への厳しい批判で有名な近藤誠先生の本を読んでいたら、治療の有効性と有用性についてのことが出てきた。インフルエンザワクチンへの批判の文章なのだが、こんな話だ。

インフルエンザワクチンを接種したグループと、接種していないグループを比較すると、接種したグループの方がインフルエンザにかかる率が少ない。ということは、インフルエンザワクチンは有効ということだ。


可能な治療目標と不可能な治療目標

新患さんが来られると、じっくり問診する。治療の前にやって、治療中に雑談風にやって、治療後にまとめの問診と今後の治療の方針を決める。

治療前に総ての問診を行わないのは、治療で、患者さんの身体がどのような反応をするか分からないからだ。