瞑想の核心部分の構造1

先日、シュタイナーの瞑想法理論を学ぶ講習会に参加し、シュタイナーというよりも、すべての瞑想法に通底する基本構造を学んだ。10代の頃から瞑想法の勉強をしてきて、基本的なことは知っていたんだけど、今回の講習会で学んだことと、瞑想体験が深く結びついて、明確になって、うれしくなった。

瞑想法にはいろいろあるので、何種類もの本を読んで勉強していると、どれをやったらいいのか分からなくなってしまう人が多いのではないだろうか。それは目先のやり方にとらわれているからなのだが、かといって基本構造にまで踏み込んで分析しているような本はすごぶる少ない。

瞑想の基本構造の分析というのは種々の瞑想法のメタ理論の考察ということだ。たとえば、シュタイナーの瞑想法と仏教の瞑想法は全く違うけれども、目的とする心的操作の方法はどこかが共通していて、どこがが違っているのかといったようなことを分析することだ。どんなマントラを唱えるとか、どんなイメージを使うのかといったような研究はたくさんあるのだが、実際に心の中で起きている構造にまで言及したのは驚くほど少ない。なぜなら、文献学者の多くは実践もせずに語っているし、瞑想を教えている人は、実践が先立って構造化まで考えない人が多いからなのだが。

まあ、それはともかく、瞑想の基本構造について考えてみたい。

瞑想の基本的な目的とはなにか?ひとことでいえば、能動的な意識を育成することによって意識を肉体から分離させることだ。この程度なら、語っている人はたくさん存在する。問題はその先だ。いったいそこで起きる心的現象はどういったものか。

我々が瞑想によって内省的になっていくと、観る主体と、その主体の前にあらわれてくるものが存在するのに、気づく。仏教では観る主体が智慧(プラジュニャー)であり、智慧の前にあらわれてくるのが諸法(ダルマ)だ。諸法は、たとえば瞑想中にお腹がへってきたり、足がしびれたり、変な音が聞こえたりといった、肉体に依存しているものから、嫌なことを思い出したり、いじめられたときの感情がぶりかえしたり、勉強した内容であったりといった、精神的なものも含まれる。光が見えたり・神や仏が表れてくることもあるが、これもほとんどは無意識から生じた像(無意識が作り出した幻覚)だ。

なぜこのようなことが起きるかというと、智慧の主体が肉体や感情・記憶・経験などのダルマによって規定されているからだ。このような観る主体がダルマに影響されて般若の智慧ではなく、曇った意識状態を仏教では無明(アビドヤー)と読んでいる。サンスクリットにはビドヤーという言葉があって智慧という意味だ。伝統的訳語として明知があてがわれている。それに否定を表す接頭辞のaが付いてアビドヤーとなる。明知でない、これを無明と訳したわけだ。

瞑想上の難題は、この曇った意識、無明を明知=般若の意識に変えることだ。

なぜ難題かというと、瞑想が深まって行くにつれて、今の自分に生じている意識が、無明によるものか明知によるものかが分からなくなってくるからだ。感覚的な知覚対象によって生じされる知覚像は無明の対象として認識しやすいけれども、非感覚的な像は受動的な意識と認識しがたい。

とはいえ、それを分別する意識を訓練する方法がある。それが能動的な意識状態を作り出す訓練だ。瞑想をする上で一番のポイントは意識が受動的にならないことだ。上で無明は「智慧の主体が肉体や感情・記憶・経験などのダルマによって規定されているから」と書いた。これは意識が受動的だということだ。だから受動的な意識を防ぐためには徹底的に能動的な意識を作り出す訓練をすることだ。

ちょっと説明がスマートじゃないな。もうちょっと整理して、能動的な意識を作り出す訓練について、次回に書いてみよう



     (2011年09月28日:
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